それからわたしはGREGORYのバックパックを旅人の元へ送り届けた






こんにちわ。

 

前回、バックパックのカールルイスと呼ばれているGREGORYはバルトロの75リッターを背負って沖縄に行ってきたお話をしたわけなんですけれども、

バックパックさえ持っていけば、夢でも愛でも希望でも何でも詰め込めて、どこまででも、それはばあちゃんが歩いて行ったいつか見たあの青い空にだって行けるのだと思っていました。

そう思っていたからバックパックを買ったんですけれども。

 

元々は、GREGORYではなくってドイターのエアーコンタクトというやつを買いに行ったんです。

 

いい大人4人が無理やり3人部屋の宿泊施設に宿泊して、少しでも良い環境で眠りたいからと時間をかけて一番ダメと思われるベッドを探す(そのベッドを避けるため)ように、

いい大人が時間をかけて一番よいと思われるバックパックをインターネットで調べた結果、背中が蒸れないって言うし、カラーもわたしの好きな緑色のラインナップが揃っていたし、商品画像に可愛い黄色いお花も添えてあったしでよしドイターを買おうと決めました。あのお花はついてくるのだろうか。

 

それでどこか忘れましたが、どこかの登山用品店に行って、ついでに他のメーカーのものも色々と背負わせてもらいました。

でもですね、泥酔不祥事の謝罪会見と一緒で、シラフな状態で謝罪しても意味は無いわけで、松本さんの主張はまさにその通りだと思うわけでありまして、泥酔して起こした不祥事に対する謝罪なので、そこは当然泥酔した状態で謝罪会見を開くべきだと思うのです。

バックパックも、スカスカでフワフワなものを背負わされていかがですかとか聞かれても、俺に聞くなお前が背負ってみろやって答えしか出てこなくって、そうではなくって、鉄アレイなりペットボトルなり再婚相手とセットでやってきた連れ子なりをバックパックに詰め込んである程度の重量のものを背負わせてからいかがですかと聞くべきなんじゃないかなぁとわたしは思うわけです。

 

重くはないけどずいぶんとパンパンに膨らんでいるのは何が入っているからなのだろうかと中を覗いてみたら、何のことは無いなんかのビニールの塊でした。

子供の頃、友達が持っていたお守りを開けて中を見てみたらなんかの厚紙だったみたいなそんな感じ。最後まで中を見ることを躊躇していた友達は、少し凹んでいました。神様は、基本的に紙なんだねぇ。

 

長々と僕のバックパック選びに付き合ってくれた店員さんの、可愛い黄色いお花が添えてあるのはレディースなんだよねっていう一言でわたしの計画と顔面は一瞬でブルーレイになって

男用は青と赤しかないじゃんえーやだよー緑がいいよーとグズグズするわたしに店員さんは世界を視野に入れているのであればGREGORY と勧めてきたので、じゃぁドイターはどんな人向けなのだと聞いてみたら、あれは貧乏人が買うものだと。

 

この一言にわたしはその場で、そそうなんだ僕GREGORYがいいななんてクーポンとポイントを駆使して最大限のお得なお値段でGREGORYはバルトロ75リッターを買って帰りました。俺だって見栄くらいはるさ。貧乏人扱いされたくなかったんだよ!

 

それまで、旅に使っていたカバンは30リッターしかもサッカー部が集団で使っているようなボストンバッグ。

そんなバスケ部みたいなカバンじゃぁたいしたとこ行ってないでしょなんて思うのかもしれませんけれどもねみなさん。これプラス西武の紙袋1 でエジプトとカンボジアにそれぞれ10日ほど行ってますからねみなさん。

 

ほいでその中身をバックパックのロールスロイスしかも75リッターその容量じつに当社比2倍以上 に詰め替えて出発の日。

3日分の靴下とかパンティーとかTシャツなどの着替えと、沖縄るるぶとまっぷる、ヴィダル・サスーンのドライヤー、ノートパソコン、Ipad、楽しいおふろセット詰めたらなんかもう他の物入れれないんですけど。

お前ぇほんとに75リッターか?詰め方もよくわかんないし。背中が蒸れないようにと気を使ってカーブになってるんだろうけどこれがまた収納スペースの圧迫以外の何者でもない。

30リッターに収まっていたはずの中身でなんで75リッターがあっぷあっぷ言っとんねん。

 

わたしがGREGORYのバックパックを窓から放り投げた理由その1:

荷物が詰め難い、そもそも荷物がそんなに入んない。正直、収納スペースが四角く使えたのでサッカー部のボストンバッグの方が使いやすかった。

 

 

思ったよりもモノが入らないバックパックにちょっとがっかりしながらも、まぁ俺まだパッキング慣れてねぇし、慣れれば観光地でもなんでもないと思われる十条駅で見かけた外国人バックパッカーのように、

パンパンに膨らんだ米俵みたいにパッキングできるようになるさと自分に言い聞かせてお家を出ます。

 

飛行機の出発時間は何時なのかって言うと、それは何時なのかって言うと、300円という、なぜか道端に落ちているぺちゃんこのヘアブラシみたいな値段の格安チケットゆえに、

朝6時とかいうわざわざ説明しないけどそのくらい察して前日入りして空港の若干エビ反りになる椅子で横になって待ってろやっていうLCC初見殺しの出発時間。

そりゃぁ何時に家を出れば間に合うかなぁと乗換案内で到着時間を飛行機に間に合う時間で設定して成田国際空港ゆきを検索すれば、あれれ?と何回試したって前日の夜出発してくださいになりますわなぁ。

 

んなわけで仕方なく最高に遅い時間に出発するバスで空港まで行くことにしました。なぜバスにしたかは忘れたのですが、多分、電車よりも遅い時間の便があったか、バスの中でふて寝しようと考えたのだと思います。当時のわたしは。

 

アルコール臭の漂う山手線に乗り、電車の中でのバックパックの扱いに戸惑いながら、幾分新品なもので地べたに置くのがためらわれ、若干足の甲に乗っける感じでバスの発着地である東京駅に到着。

東京駅のなんとか口を出たところで声をかけてきたいやらしいマッサージをしてくれるのであろう中国かどっかの女の人にバスのりばの場所を聞き、無事現地到着。わたしは、いよいよ沖縄にゆくのです。

ビルディングのガラスに反射する、GREGORYを背負ったわたしの姿はもう紛れもなく旅人のようでした。

 

わたしがバックパックを買ってよかったなぁと思った思った点その1:

・バックパックを背負ってる姿は世界を2周くらいしてきた旅人のようだった

 

 

バスの中では中々寝れず、寝るのを諦めたもうすぐ到着というところでウトウトし始め空港入り口の検問で起こされる。

一番ダルいタイミングで起こされ、働かない頭でノロノロと免許証を探すわたしに、おまわりさんは相当イライラしていたことでしょう。あったこれだと思って見せようとしたカードは歯医者さんの診察券でしたしね。おまわりさんごめんなさい。

 

なんとなくひんやりとする空港内の、若干エビ反りになるベンチで中々寝れず、ここでもずーとウトウト、ウトウトでしたわ。

搭乗受付が開始され、列に並びます。列が前に進む度にバックパックを担いでは下ろし、担いでは下ろしを繰り返す。サンダンス・キッドか俺は。

 

わたしがGREGORYのバックパックを実家の庭に埋めた理由その2:

列に並んでいる時などは鬱陶しい以外の何者でもない。コロコロに乗り換えたくなる瞬間ですね。

 

サイズ的に不安だった機内持ち込みも無事にクリア。無事っつってもあんま無事じゃなかったけどね。

ベルト類がびろんびろんいっててX線?通す職員さんはちょっと鬱陶しそうだった。だってX線通すとこの、「この穴通れなかったらアウトね」ってやつ取っ払ってたもんね。空港職員のみなさまごめんなさい。

 

わたしがバックパックを8kg増量した嫁とセットで売り飛ばした理由その3:

あん時は機内持ち込みできたけど、いつかサイズオーバー(腰ベルトでね)を宣告されそうな気がする

 

初めての沖縄。本日のお宿について、くそおもたいバックパックから解放されるわし。何この解放感ステキ!

まだ新品だからなのか知りませんが、気を付けとも休めとも言ってないのによっこいしょと降ろしたままの状態で直立するGREGORY。

 

一番下にしまったヴィダル・サスーンのドライヤーが重みでプレスされてるような気がして何だか落ち着かなかったので、背中が接する面を下に、横にして置いてみます。

したらその構造上、プラチックとかが入った結構しっかりした腰ベルトがひん曲がった状態でないとその向きで置けない。

それもなんだか落ち着かなかったので、結局裏返しにして置きます。これはひっくり返ったダンゴムシか?

 

わたしがGREGORYの購入価格からのマイナス2000円でGREGORYのバックパックをオークションで売り飛ばした理由その3:

・正直、置き方がわからん。

 

 

半年だとか1年だとか、そんな単位で世界を縦横無尽に飛び回るみなさんが声を揃えてバックパックパックマック言うもんだから、可愛いだけが取り柄の男の子だったわたしはそれを真に受けてました。

だけれどもしかし。現実を見れば、10kgに満たない重さで肩痛い腰痛い足臭いと那覇市のファミマの横の歩道橋でグズっているわたしがおりました。

一番近くのコインロッカーがモノレールの駅の中だと知り、これ以上歩きたくないからってんでロッカー使うから中に入れろしかし切符は買わんと改札でゴネているわたしがおりました。

必要な物だけを抜き出し、300円のコインロッカーにGREGORYを詰め込むわたしがおりました。10kgでこの始末だ。20kgとかなったらもうは絶対無理やで。

 

わたしがGREGORYのバックパックを手放した理由その4:

バックパックとは言え、痛いものは痛い。重いものは重い。

 

いくらバックパックのロールスロイスとは言っても、どこまでも歩いていけるわけではないんだなぁ。

新しい持ち主の元へと旅立った、GREGORYの前途を祈願しました。

よかったな。GREGORYを買うくらいだからきっと、次の持ち主は旅人だ。そして忘れるな。俺も旅人だ。

買ったお値段と売れたお値段その差2000円は、バックパック2泊3日分レンタルしたと思えば、妥当なところかなぁ

 

 

 

そんな世界を一緒に回る旅行かばんに関して、真剣に考えなければいけないかなぁと思った、世界一周出発3年前のお話でございました。

 

 











コメントしちゃう on "それからわたしはGREGORYのバックパックを旅人の元へ送り届けた"

あなた方は、コメントを欲しがることを止みませんか。日本語でOK

何かしら返答が必要な場合はemailアドレスも入力しといてくだされ。




&nbs;