こんばんわ。
いらっしゃいこのやろう。
お天気の良い日にどこまでも広がる青い空を見上げて、こんな日にね、サラリーを稼ぐためとはいえ屋内にこもってたまにリクライニングが勝手に跳ね上がる半分壊れかけたチェアーに連日腰掛けているのはどう考えてもおかしいと、後先を考えずに俺は南アルプスの雪解け水を使って芋を育てるんだ農薬は使うけどな!とオフィスで叫んで仕事をやめて、辞めたはいいけど芋は方便で特にやりたいこともなくだけれどもしかし時間だけは有り余っていたのでそうしてわたしは旅に出たシリーズ第四夜、そして今夜が最終回でございます。
ここのところ口を開けば昔話を引っ張りだしてきては、どうだ、俺の旅すごいだろう!みたいな話ばっかりでごめんなさいねみなさん。
でもご安心下さい。次回からはしっかりと、サックス頑張ってる俺どうだすごいだろう!をお届けしていきますからね。やめてくれったってやめねぇからな。こっちはもうこれ以外書くこともないんだぁ。くぁくぁ。
【第三夜】 それを済ますと、わたしはコロコロ付きのリュックを買って京都祇園に向かった
【第二夜】 それからわたしはGREGORYのバックパックを旅人のもとに送り届けた
行き先は鹿児島。またもや常識と談合の精神が欠如した価格でJetStarが売り出していたチケットを手に入れて、桜島を見に行って参りました。
たまに桜島が爆発なんてニュースを耳にすることがあって、本日の最高気温を読み違えてヒートテックを中に着込んでお出掛けをするわたしならばまだしも、もしくはマグマを抱き込んでいる活火山ならまだしも、なんで島が爆発するんだろうと不思議に思っていて、いつかは行って確かめなければいけないなと思っていた幾分思い入れのある場所でもあります。
現場百ぺん。サツマイモを作ると意気込んで無職になった今年(2014年当時)のわたしは一味違うよ。
飛行機は沖縄行きと比べて常識的な14:30くらいの出発でした。お弁当におむすびを握る時間もあったもんね。
余裕を持って成田空港に到着をして、ナッツとゴマとゆかりを散りばめたミラクル・おむすびをかじりながらのんびりと待ちます。
せかせかしてはいけません。やっぱり旅はこうでねえと。
1時間30分ほどのフライトを終えて時は夕刻、バスを乗り継いで鹿児島市内に到着。これから動きまわるには微妙な時間だったゆえに桜島は明日にして、本日は鹿児島シティーをめぐります。
駅前にでかい商業施設とか観覧車とかあって、バスも大量に転がっていて、思ってたよりも都会でした。立川とか八王子とか、なんとなくあんな感じがしました。八王子には行ったことないのですけど 。
駅前で鹿児島にゆかりのあるウィスキーのキャンペーンやってたので飲みます。うわぁ、僕これほんとに飲んでいいの?!たのしーい!
ウィスキーを飲みおじさん良い気分で本日の宿に向かいます。途中立ち寄ったスーパーでぜんざいのアイスを買ってベンチで食べます。きなことあんこのアイスに白玉だんごが5個めり込んでいる和風のアイスです。さっそく鹿児島関係なくなってきました。
まずは白玉だんごから食べようと思ってめり込んでいた一個を繰り抜こうとしていたら落っことしちゃった。
わわしの貴重な白玉だんごが。
ぜんざい食べてたら女子中学生二人組に「自転車で旅してる人ですか?」と声をかけられ、「はい!?」って聞き返したら走って逃げちゃった。
食べ終わる頃には落ちたしろたまだんごはベチョベチョになっていた。彼は基本的には水なんだねぇ
宿に到着した僕は、空港のラウンジでゴルフボールと一緒にもらったビールを冷蔵庫に入れて、そして牛乳を飲んで寝た。
翌朝。天気もよろしく本日のメインインベントの桜島を見るためシティーから天文館経由のベイサイドに向かいます。
天文館っつーのは屋根付きのおっきな商店街で、対決列島で有名なしろくまなんてのも売ってたりします。まぁ、コンビニでも売ってますけれども。
天文館むじゃきー みなさんもどうぞー
途中で見かけた大判焼きのようなものを3つ買って食べたら頭痛くなりました。
天文館をふーんそうなんだーと経由してベイサイドに到着。フェリー乗り場に向かう通りの道端でオバちゃんに「あのキャンピングカーお兄さんの?」と声をかけられたので「はい!?」と聞き返したら僕の無垢な表情から少なくともコイツは持ち主じゃねぇなと把握したようで、「あのキャンピングカー、警察がいろいろ調べてるのよ」と前方に見える国士舘大学あがりの機動隊員が詰め込まれるバスのような乗り物を示しながら教えてくれた。
おまわりさんが二人でなんかやってるキャンピングカーの横を通りぬけ、いざ待望の桜島。
ひぁー!桜島すごいー!
鹿児島の皆様のためにも、このくらい騒いどけば充分ですかな。
右下の、波消しブロックが少し残念というかバランスが悪いんですよね。
右にキャメラをパン。あの、遥か先に見える岬まで回り込めば防波堤の写り込まない桜島を見れるかも知んない。
そうしてわたしは遙か先の岬に回りこんだ。猫が餌付けされていた。
どうだぁ。これが防波堤なしまじりっけなしの桜島。みなさんもどうぞー
こうしてポンポンポンと画像貼っつけたわけなんですけれどもねみなさん。わたくしこれでトータル3時間くらい歩いてるんですからねみなさん。
こうしてナッツをまぶしたおにぎりで得たエネルギーと、時間を消費して様々な角度から桜島を検証した結果、スタート地点の、近くの商業施設の、2階のウッドデッキのテラスからの眺めが一番よいということに落ち着いて、1Fのfamimaで買ったビール飲んでアイス食べてゲップしながら眺めます。
遙か先の岬まで歩いた意味wとか言って笑った人はちょっと来なさい。
後ろ の席のアベックの会話が甘かったので、アイスのクッキーのかけらを親指でピンと飛ばしました。その後もシンガポールのホテルのビュッフェのデザートのようにスウィートな会話は続いていたので命中はしなかったようです。背中を向けながらなので当てるのはむつかしいのです。
フェリーを見送るわし。いい夢見ろよ。
長い間心の片隅で気にかけていた桜島というつっかえがとれて幾分まんぞく。疲れたんだかなんか知らんけど、いやまぁ確実に疲れているからなんですけれども、つらいことなんかひとっつもなかったよ楽しいことばっかりだったよって日記にしたいのであの遙か先の岬に回りこんだのは余計だったよねだなんて死んでも言わず、20時に寝たわし。おやすみなさい。
最終日。飛行機の時間は夜なのに、もうすることもないわけ。だもんでわたしは歩いて空港まで行くことを決意します。
その距離32kmほど。ゴーグルで調べたら自転車で2時間かなぁという情報だけを拠り所に出発します。なぜなら僕はアイ・アム・ア・ヒーロー。
異人館。まだまだ余裕。
どんどんと小さくなってゆく桜島。また来いよ。
海を見ながら歩きます。視界良好。排気ガスも良好。どんどんと歩道は狭くなって危険を感じたわたしは、並走する線路に逃げますけど、線路に逃げればたまにやって来るチンチン電車に警笛を鳴らされ、車道に出ればでかいトラックがわたしの肩を掠め、この旅は過酷。
この旅過酷。
コンビニがあったらそこで休憩をしようと進みますけどなぜかコンビニがない。それに応じて馬鹿正直に休憩をとらないわたくし。
あの、遥か彼方に見えるカーブまで行けばその先にゴールが見えてくるはず!とカーブまでたどりついてみればその先にはさきほどまでと同じような風景が広がっていてどんどん無表情になっていく僕。
あの糶り立つ岬を超えればきっと、、、
きゃぁああああまた新しい岬がぁあああ!
過酷。この旅過酷。
30mほど前方で道路工事しているのが見えました。迂回する道もあるんですが、じゃっかん遠回り。もしこのまま進めるのであれば、それが一番良いのですが。
僕も通れないっつってるところを無理やり通るようなバカでもないので、もし迂回をしなければいけないのであれば下手な意地を張らずにここで迂回路に入るよ。
ただ、工事中とはいえ歩行者が通れるかどうか、それを確認したかっただけなんだ。
1mたりとも余計な距離を歩きたくなかったわたしは30mほど前方でその勤めを果たしている警備員さんに、
前方を指差し(この先、)
バッテンを作り(通れない?)
とジェスチャーで意思疎通を試みます。わたしの想いが通じたのか、警備員さんはこっちへ来いという合図。なんだ、通れるのかい?
警「この先工事中だからあそこの迂回路まで戻ってそっから通ってね」
羊「おめぇほんとに中学出てんのか?」
往復60mやそこらでぐちゃぐちゃ言ってんじゃないよとか思うのかもしれませんけれどもねみなさん。今回の行程はほんとに余裕なんてものは1ミリメートルもなかったんですよ。
その割に見かけた名も無き平松神社で寄り道。
もう随分歩いたし、もうすぐ空港につきますかな
きゃぁああああまだ半分来てないぃぃいいいいい!
もう自我を捨て、人であることも捨ててひたすら歩きます。気の利いた旅人ならば、こんなときヒッチハイクの1つでもするんだろうなぁ。
ついぞ顔から表情が消え、オーデュボンのカカシのような顔になりかけた頃。
辺りの様子が、海沿いの、移動のためだけの道路そんな風景から、内陸部に入り幾分人の生活するそんな景色に変わります。
ハァハァ、コンビニあるんならそこで休憩にしようか。
きゃぁああああ案内板もはずしとけやぁああああ!
近くに中学校があるらしく、子供たちが湧き出てきた。
彼らはそういう教育をうけているらしく、すれ違う子供たちが僕に挨拶をしてきます。僕はとかく女子に人気のある非常勤講師のにーちゃん的なポジション想定で「はいこんにちわ」と空元気に返します。そ、空元気でも元気は元気。歩ける。僕はまだ歩いていけるぞ。
ヤンママに手を引かれた小さい子供がわたしに元気よくこんにちわと挨拶をしてくる。
まぁこんな怪しい足の短いおじさんが相手なもんでヤンママは一瞬子供に対して「ば(かっ)」ってなったけど、実はヤンママとこっそり浮気をしているお米屋さん的なポジション想定で「はいこんにちわ」と空元気でわたしが返すと、ママさんは即座に人工的な笑顔を見せてくれました。
普段からの教育で、挨拶してはいけませんなんてことは言えないですし、とは言え無差別に声をかけてしまう無邪気さもそれはそれで心配ですし、まぁママさんの「ば(かっ)」って反応もまったく理解できるでござるよ拙者は。にんにん。
ファミマで休憩。のどかだ。
休憩を挟んで少し元気になったわたしは、道端で拾った棒っ切れを振り回しながら両サイドをお茶畑に囲まれた茶ロードを進みます。鹿児島はお茶の生産がお盛んなのですなぁ。
後程ゴーグルで調べてみたら、鹿児島は静岡についでお茶の生産量が全国2位なんだそうで。そりやまぁ、あんだけ茶畑あるわけですわなぁ。
30kmとか人生で歩いたことあったっけかなって考えます。ないよなぁ。だって足がすごく痛いもの。
足の指がもう2本くらい取れてんじゃねぇかと思うほどの痛みに耐えて歩いていると、ようやく空港の向かいにある西郷公園が見えてきました。ゴールです。
10時くらいに出発して、靴下ももうぼろぼろ足もひのきの棒のようになりながら8時間かけて進んできたこの道。なんのゆかりもないけれど、西郷さんに我が人生最長歩行を報告して僕の旅は終わるのです。
竹ぼうき持ったジジィに「ここ17:30までなんだよね」って言われて全日程を無事に終了。お疲れ様でございました。
あとちょっとだったのに。
みなさま 鹿児島は空港がちと不便な場所にあるのでご注意です。
そして宿の冷蔵庫で冷やしといたビールはあっさり忘れてきました。ビール返せ鹿児島!
悪いけどココア3杯は飲ましてもらうよ。
こっちは宿にビール忘れてきてんだぁ。
ラウンジでココア飲んでたら雨が降ってきた。タイミングが良いというか悪いというか。まぁ歩いてる時じゃなくてよかったです。
きわどかったです。色々と、、、
さて桜島。
噴火するってことは山なんでしょ?山なのになに島ってつけてんの?って思ってましたけどね。
現地に行って実物を見てわかったのは、桜島っていう島といいますか半島といいますか、そこに、御岳という山がどーんと生えているというわけなのですね。
だから煙上げてたり、爆発したりする、わたしたちがたまにニュースなどで目にするあの山は、御岳なのです。
アナウンサーとか指宿のババァとかが桜島桜島言ってても、正確には「桜島(に生えている御岳)桜島(に生えている御岳)」と省略されているんですね
現場百ぺん 現地に行って初めてわかることもあるんです。しかしこれは、現地に行かなくてもゴーグルマップでわかることです。
おみやげはさつま揚げだぁー(帰りの途中で一個食べちゃった)
こうして、ヤケクソから始まったわたしの旅は、無事、鹿児島で終わったのでした。
人生は短い、ヤケクソで無職になるのはやめましょうね。
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