こんにちわ。
そろそろ僕も、旅に適した肉体にしていくかなあと考え始めております。
旅中の健康と五穀豊穣を願うのは旅人の常だと思いますが、世界を巡る旅の過程、日々の身体のメンテナンスで一番重要なことはご飯だと僕は思っています。
もちろん正体のしれない犬とかサルに齧られないとか、正体知れてても齧られる必要はないのですが、それから生水を飲まないとか、なまものは食べないであるとか、蚊に喰われないであるとか、うぉとか、
例えばそれをお見舞いされてしまえば比較的即座に悪影響を及ぼすそんな避けなければイケナイ事案もまた別にありますが、
今回はそうではなくって、どちらかというと長い目もしくは中くらいの目で見る身体のメンテナンスのお話です。
人間の細胞は3カ月で特殊なものを除きほぼすべての細胞が入れ替わるそうです。
三カ月かけて古くなった細胞は垢なりウンウンなり汗なりであなたの身から剥がれおち、そして新たに生まれいでてくるピカピカの細胞と入れ替わります。
つまり3カ月後には、あなたはまったく新しい人間に生まれ変わっているわけです。
しかし残念ながら中身は必ずしも洗練されるとは限らず、わたしのようにひょうたんみたいなままの場合もあります。
ほいでその新しい細胞の素となっているのはなんなのかっていうと、それは何なのかっていうと、それはもう私たちが毎日サルのように一生懸命口に運んでいるご飯なのです。
僕たちはご飯でできている。ごはんはすごい。ごはんの偉大さをわかってもらうために、新宿モノリスビルの前でデモをやるべきです。
ごはんえらーい ごはんをまもれー
そんなわけで身体にいいとされる食材をあれやこれやとふんだんに使った奇跡のごはんを食べようと、
それでいてさっさと作れるごはんはなんだろうかと仕事もしないで研究をします。
みのもんたさんが紹介してきた食材を可能な限り詰めこんでそうして完成したのがこのギチギチ餃子です。
あれもこれもと詰め込んでできた餃子なだけあって独りで食べるには若干数は多めでしたが、残してはもったいないと毎日おなかいっぱいに食べておりました。
そしてそんな餃子生活を続けた結果、食べた後は身体が重くなり何もする気にならなくって、朝もなかなか起きれず、お昼御飯を食べれば気絶しそうなほどに眠たくなり、夕方が近ずくにつれ冗談じゃないくらいのダルさに襲われ、そしてまた夜になればあのギチギチ餃子を大量にお見舞いされるわけです。
最悪調子悪くてもう軽く一度死んでしまおうかななんて思う時期もありました。
身体にいいといわれている食材をふんだんに使用した奇跡の餃子を食べているのに、おかしいなぁ、なんかあの餃子、おかしいんだよ。
これは何かが異常な事態であると、そこからわたしはさらに仕事そっちのけで研究を進めます。だってあの餃子、おかしいんだよ。
食べた後の眠気倦怠感であるとか朝の寝覚め、夕方の気怠さなどなどの手がかりから辿り着いた答えは、
体にいい悪いよりも大切なことがあって、それは何かっていうと、それはなんなのかっていうと、なんのこたない適切な量をわきまえるということです。
食べなきゃ力でないもん
いっぱい食べなきゃ大きくなれないよ
甘いモノは別腹
食べる=健康 みたいになっている決まりがありますが、これには幾分注意が必要と思いました。
薬も、量と場合を誤れば毒になります。
ごはんもまた、やはり量と場合を誤れば毒となってしまうのです。
わたしが食べていたのは、毒饅頭だったのです。(餃子ですけれども)
人が生きていく上で、一番エネルギーを消耗している体内活動がかくにも言うこれまたご飯で、
それは例へば満員電車のおしくらまんじゅうでもなく、
苦手な上司嫌いな同僚とのだるまさんが転んだでもなく、
やたら腰の入ったいいキックを放つ5歳の娘の相手をすることでもなく、
食べたご飯を消化してそれを分解し体内に吸収するという消化活動に、尋常じゃないほどの労力を割いているそうです。
つまり僕たちは、ご飯を食べるためにご飯を食べているのです。
大量のギチギチ餃子を目の前にして
(なんだこれは)
と驚きつつも、僕の胃腸は健気にも一生懸命消化し、吸収し、排泄をしてくれていました。
だけれどもしかし。終わりの見えないギチギチ餃子の洪水にわたしの胃腸達は阿鼻叫喚の鳥獣戯画で地獄絵図、
ある日とうとうもう勘弁してくれと体をくの字に曲げて崩れ落ち、
腸はそもそもくの字どころかもっとぐにゃぐにゃなのですが、
それが例えば食後の眠気であるとか朝のだるさというカタチで表に出てきたのでした。
ごはんの危なかしさを知ってもらうため、わたしたちは新宿パークタワーの前でデモをするべきです。
ごはんすごーい、ごはんをまもれー
一昔前と違い、先進国では生命活動に支障がでるほどの飢えに苦しむ人はほとんどいなくなりましたが、
代わりにガンやら脳なんとかやら尿が糖になるいわゆる現代病と呼ばれる病気が急激に増えています。
その大きな原因の一つが過食、いわゆる食べすぎだといわれており、僕もその斬り口には大方賛成です。
腹八分目なんてのはよく言ったもんで、まさにそんな食べ過ぎに対する絶妙な戒めの言葉なのでしょう。
僕がこの話をすんなり受け入れられたのも、毒餃子において身に覚えがあるからです。
話がうまくまとまんないので幾分強引に、まさかのここで?後半に続く。
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